光琳の櫛

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芝木好子の小説「光琳の櫛」のモデルとなった櫛が、京都にふたたび!

 

大山崎山荘は大正~昭和にかけて建てられた、静かで風情のある大変ロマンティックな美術館でした。

木目の美しい山荘の中で見る尾形光琳酒井抱一の櫛たちはそれはもう格別なものです。美術展へ行く数日前に小説「光琳の櫛」を読み直し、蒐集家の執念にとらわれた状態で櫛たちに会えたのはやはり正解!小説に登場する櫛があらわれるたびに、小説の中でのこの櫛を手に入れるための粋なやりとりを思い出してニヤリとしていました。

狐の嫁入りの櫛、ぎやまんの櫛、抱一の丸みを帯びた櫛、抱一と光琳のつながり、美しい小説の世界と、華やかな櫛。。もちろん小説を読んでいない方でも工芸品として櫛の美しさを味わうことはできるのでしょうが、おすすめはあの小説に込められた、狂おしいほどの情念と一緒に、大正ロマンな美術館で止まったような時を過ごすという、他に代えがたいぜいたくな時間をぜひ。

 

東京の「澤乃井櫛かんざし美術館」へも、きっと、いつか。そのときもまた光琳の櫛を読み返して行きます。きっと、いつか。できれば近いうちに。